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家族信託だけで十分?できること・できないことを実務解説

家族信託 実務ライブラリ
家族信託だけで、
あなたの認知症対策は
本当に十分でしょうか。

家族信託は、判断能力があるうちに財産を信頼できる家族等へ託し、 契約で定めた目的に従って管理・処分してもらう仕組みです。

預金や不動産の管理、収益物件の運営、売却、死亡後の承継設計に強みがあります。 一方で、本人の生活全般を代理する制度ではなく、医療同意、介護契約、契約取消し、 信託していない財産の管理まで自動的にできるわけではありません。

30秒で結論

家族信託は「財産管理と承継」の制度です。 本人の生活・医療・介護・契約被害・死亡後事務まで、すべてを一つで解決する制度ではありません。

  • 信託した預金・不動産は、受託者が信託目的と契約内容に従って管理・処分できます。
  • 委託者が認知症になっても、受託者の権限は原則として継続します。
  • 不動産売却、修繕、建替え、借入れは、信託契約・信託目的・登記・金融機関対応を個別に確認します。
  • 信託していない預金、不動産、株式等は、家族信託の対象外です。
  • 医療同意、介護契約、身元保証、婚姻・離婚・養子縁組、本人がした契約の取消しは、家族信託だけでは対応できません。
  • 死亡後の財産承継は設計できますが、葬儀・納骨・住居明渡し等の死後事務は別に備えます。
  • 家族信託を作るだけで、相続税が自動的に減るわけではありません。
重要: 家族信託は、受託者へ財産を自由に与える制度ではありません。 受託者は信託目的に従い、受益者のために忠実に事務を行い、 自分の財産と信託財産を分けて管理しなければなりません。

FIND BY YOUR CONCERN

将来、一番心配なのは何ですか?

制度名から選ぶ必要はありません。 困り事を起点に、中心となる制度と、補うべき制度、次に確認するページを案内します。

アパート経営が止まるのが心配

賃貸管理、修繕、建替え、借入れ、売却を継続したい

賃貸管理大規模修繕建替え借入れ
中心家族信託
別途確認金融機関・税務

相続税対策も同時に進めたい

家族信託で節税できるのか、売却・法人化・建替えも検討したい

相続税譲渡所得法人化資産組換え
中心税務の個別設計
管理継続家族信託
🏠 不動産・💴 預金の管理が中心

家族信託を中心に、対象財産と受託者権限を設計します。

🏥 生活・介護・本人契約まで必要

任意後見や財産管理等委任を組み合わせます。

🛡️ 既に判断能力が大きく低下

新たな信託契約ではなく、成年後見等を検討します。

このナビゲーションの結論: 家族信託は、預金、自宅、収益物件など「信託した財産」を守る中心制度です。 生活・介護には任意後見、本人契約の取消し等には成年後見、 信託外財産の承継には遺言、死亡後の実務には死後事務委任を組み合わせます。

IS A FAMILY TRUST ENOUGH?

最初に確認するのは、「家族信託を作るか」ではありません

認知症前、認知症後、死亡後に、どの財産を誰が管理し、どの契約を誰が行い、 最終的に誰へ承継したいかを整理します。その結果として、家族信託だけで足りるかを判断します。

1

収益物件・自宅・空き家を認知症後も管理したい

家族信託が有力です。ただし、売却、建替え、借入れ、担保設定まで必要かを契約時に具体化します。

2

施設入所、介護、行政手続も家族に任せたい

家族信託は財産管理の制度です。本人の契約代理まで必要なら任意後見等を検討します。

3

本人の浪費や悪質商法を止めたい

家族信託には本人が行った契約を取り消す権限がありません。法定後見の必要性を確認します。

4

死亡後も配偶者や障害のある子の生活を支えたい

受益者連続型等の信託設計が候補になります。ただし、税務と遺留分への影響を慎重に検討します。

5

葬儀、納骨、遺品整理まで同じ人へ任せたい

信託財産の承継と死後事務は別です。死後事務委任契約や遺言執行者を組み合わせます。

6

相続税対策として家族信託を使いたい

家族信託自体に一般的な節税効果があるわけではありません。管理対策と税務対策を分けて設計します。

家族信託中心で検討

主目的が、信託した不動産・金銭の管理、売却、賃貸経営、承継である場合。

他制度との併用を検討

生活・介護契約、信託外財産、死亡後事務、遺言による全財産承継まで必要な場合。

家族信託では解決しない

本人の契約取消し、医療同意、身分行為、信託していない財産の包括管理を主目的とする場合。

LIFE TIMELINE

家族信託を、認知症前後と死亡後の時間軸で考えます

判断能力あり目的・財産・家族を整理し信託契約を締結
信託開始財産移転、信託登記、口座・会計を整備
認知症後受託者が契約に従い信託財産を管理
委託者死亡契約により信託を継続又は終了
最終承継残余財産を指定者へ引き渡し登記・税務処理
家族信託は、契約を作っただけでは完成しません。
不動産は信託登記、金銭は分別管理、賃貸物件は賃貸借・管理会社・保険・借入れ・税務の変更確認が必要です。 運用開始後も、帳簿、領収書、受益者への報告、受託者交代、終了時の手続を続けます。

LEGAL PRINCIPLES

受託者は「家族だから自由」ではありません

1 信託目的と契約

受託者は、信託財産の管理・処分等の権限を持ちますが、信託目的と契約による制限を受けます。

2 忠実義務・利益相反

受益者のため忠実に行動し、自分や自分の会社との取引は、信託法と契約上の条件を確認します。

3 分別管理・報告

信託財産と受託者個人の財産を分け、帳簿、通帳、収支、重要取引の記録を整えます。

受託者が契約の範囲を超えたり、自己の利益を優先したりした場合には、 受益者による取消し、原状回復、損失填補、受託者解任等が問題となることがあります。

AT A GLANCE

家族信託でできること・できないこと一覧

「できる」とされる行為でも、信託財産に含まれていること、信託目的・契約に権限があること、 登記・金融機関・取引相手の手続が整うことが必要です。

行為・財産一般的な扱い主な条件・注意点
信託した金銭の管理・支払いできる信託目的に従い分別管理する。受託者個人の口座と混同しない。
信託した不動産の賃貸管理できる賃貸借、修繕、管理委託、敷金等を契約と会計で整理する。
家賃の受領・経費の支払いできる収益は原則として受益者に帰属するものとして税務処理する。
通常修繕・設備交換できる信託目的と受託者権限に含め、金額・発注・報告基準を定める。
不動産売却条件付き売却権限、本人・受益者の利益、信託登記、価格、代金管理、税務を確認する。
建物解体条件付き処分権限、信託目的、滅失登記、賃借人・融資・税務への影響を確認する。
大規模修繕・建替え慎重判断契約上の権限、資金調達、回収期間、受益者利益、金融機関対応が必要。
新規借入れ・借換え金融機関審査契約に権限があっても融資が確約されるわけではない。債務者、担保、保証を個別協議する。
抵当権・担保設定条件付き信託目的、受託者権限、信託目録、金融機関条件との整合が必要。
共有持分の管理・売却範囲限定信託した持分のみ。共有物全体の処分には他の共有者の協力が必要。
株式・自社株の管理個別設計譲渡制限、株主名簿、議決権、会社法、定款、税務を確認する。
死亡後の受益者指定設計可能信託財産について承継を設計できる。受益者連続型の税務・期間制限に注意。
信託していない預金・不動産できない家族信託の効力は信託財産に限られる。
本人名義の施設・介護契約原則対象外受託者は財産管理者であり、本人の包括的代理人ではない。
手術・治療への医療同意できない信託契約で身体に関する同意権を作ることはできない。
本人がした契約の取消しできない成年後見制度の取消権とは異なる。
本人に代わる遺言作成できない信託財産の承継設計は可能だが、本人の遺言そのものを代理作成できない。
婚姻・離婚・養子縁組できない本人自身の意思を要する身分行為。
葬儀・納骨・住居明渡し別制度死後事務委任契約等で権限と費用を別に設計する。
家族信託による自動的な相続税節税効果なし課税関係は受益者等を基準に判定され、信託しただけで評価額が下がるわけではない。

INCOME-PRODUCING REAL ESTATE

収益物件オーナーの家族信託は、管理権限だけでは足りません

賃貸経営では、家賃を受け取るだけでなく、契約、修繕、資金調達、売却、税務申告まで継続します。 認知症後に起こり得る経営判断を、物件ごとに洗い出します。

日常管理

賃貸借・家賃・管理会社

新規募集、更新、解約、賃料改定、原状回復、管理会社変更等を定めます。

維持保全

修繕・設備・保険

通常修繕と大規模修繕の決裁基準、見積り、保険金受領、緊急対応を決めます。

資金

借入れ・返済・担保

既存借入れの扱い、新規借入れ、借換え、保証、抵当権設定を金融機関と事前確認します。

再編

売却・解体・建替え

どの条件で保有をやめるか、価格、回収期間、税負担、施設費への充当を具体化します。

税務

所得・消費税・譲渡所得

受益者帰属、減価償却、修繕費、消費税、売却時の取得費・譲渡費用を管理します。

承継

受益者・受託者・後継者

委託者死亡後の受益者、受託者交代、物件の最終帰属、共有回避を設計します。

借入れがある物件は、契約を作る前に金融機関へ確認します。
信託契約に借入権限を書いても、既存融資契約の承諾、新規融資、保証、担保設定が当然に認められるわけではありません。 無断で信託登記を進めると、融資契約上の問題が生じる可能性があります。

SALE, REBUILDING AND LOANS

売却・建替え・借入れは、「契約に書けば必ずできる」ものではありません

不動産売却

権限・登記・価格・税務

受託者の売却権限、信託目録、買主への説明、受益者利益、売却代金の帰属、譲渡所得を確認します。

建替え

長期投資として検証

解体、新築、請負契約、借入れ、回収期間、空室、受益者の生活資金を一体で検討します。

借入れ

金融機関の審査が別に必要

受託者借入れ、信託内借入れ、委託者債務、保証人、担保設定の構造を金融機関と合意します。

信託目的・権限確認
受益者利益の検証
金融機関・登記確認
査定・事業収支
契約・決済・登記
税務・代金管理
法人化・法人への売却も同じです。
適正価格であっても、受託者又はその関係会社との取引は利益相反となり得ます。 信託契約上の許容条項、重要事実の開示、受益者の承認、価格資料、税務、会社法を確認します。

TAX

家族信託の税務は、「名義」ではなく受益者等への帰属で考えます

所得税・不動産所得

収益・費用は原則として受益者へ

一般的な受益者等課税信託では、信託財産の資産・負債、収益・費用は、 税務上、受益者等に帰属するものとして取り扱われます。 受託者名義で家賃を受け取っても、当然に受託者の所得になるわけではありません。

贈与税

委託者と受益者が異なると課税を確認

適正な対価を負担せず別の人が受益者になる場合、 信託に関する権利を贈与等により取得したものとみなされる可能性があります。 当初受益者、受益権割合、変更時期を慎重に設計します。

相続税

受益権・次の受益者・終了時を確認

委託者死亡時、受益者変更時、信託終了時の課税関係を確認します。 受益者連続型信託は、民事上の承継設計と税務上の評価が同じ感覚にならないことがあります。

譲渡所得

信託不動産売却は受益者側で計算

売却代金、取得費、減価償却、譲渡費用、保有期間、特例適用を確認します。 信託したこと自体と、第三者へ売却したことを区別します。

消費税

賃貸・建物売却・事業承継を確認

課税事業者、住宅・事業用賃貸、建物売却、仕入税額控除、調整対象固定資産等を受益者帰属と併せて整理します。

法定調書

受益者別調書等の提出事由

信託の効力発生、受益者変更、終了等では、受託者による信託に関する受益者別調書等の提出要否と期限を確認します。

家族信託は、節税商品ではありません。
相続税評価を当然に下げる制度ではなく、課税を避けるため受益者を形式的に操作すると、 贈与税・相続税・法人課税信託等の問題が生じる可能性があります。

FAILURE AND REGRET

家族信託の失敗・後悔と、どうすれば防げたか

信託したつもりの預金が対象外だった

契約書に抽象的に記載しただけで、実際の資金移動や分別管理がされていませんでした。

防止策:信託財産を特定し、口座、入出金、帳簿、証憑を実際に移行します。

受託者が先に死亡・認知症になった

後継受託者や選任方法を決めておらず、財産管理が止まりました。

防止策:第二・第三受託者、受益者指定権者、信託監督人等を検討します。

信託口口座を作れなかった

契約締結後に金融機関へ相談し、希望する口座・融資・決済に対応していないことが判明しました。

防止策:契約前に金融機関の取扱い、口座名称、必要条項、手数料を確認します。

借入れ・建替えができなかった

契約には権限がありましたが、融資審査や既存債務・担保の整理ができていませんでした。

防止策:金融機関、司法書士、税理士、不動産担当者を契約前から参加させます。

受託者が家族のために自由に使った

本人の生活費と、他の家族への援助・贈与が混在し、利益相反と使途不明金が問題になりました。

防止策:支出目的、上限、承認、報告、監督、禁止行為を契約で定めます。

信託終了後の帰属が曖昧だった

委託者死亡で終了するのか、継続するのか、誰が不動産を取得するのかで家族が対立しました。

防止策:終了事由、残余財産受益者・帰属権利者、清算受託者、登記費用を具体化します。

遺留分や家族感情を考慮しなかった

一部の家族だけで契約を進め、死亡後に承継内容を巡る紛争が生じました。

防止策:遺言・遺留分・特別受益・家族会議を含め、契約の目的と公平性を説明します。

家族信託だけで全部できると思った

施設契約、医療、信託外財産、葬儀、相続税申告の担当者が決まっていませんでした。

防止策:任意後見、財産管理等委任、遺言、死後事務委任と役割を分担します。

SYSTEM COMPARISON

認知症の進行と時間軸で、家族信託・任意後見・成年後見・遺言等を比較

項目 家族信託 任意後見 成年後見 財産管理等委任 遺言・死後事務
主な役割信託財産の管理・承継判断能力低下後の本人代理判断能力低下後の法定保護判断能力がある間の事務委任死亡後の承継・事務
開始契約・財産移転後監督人選任後家庭裁判所の審判後契約で定めた時原則として死亡後
対象財産信託した財産のみ代理権目録の範囲本人財産全般又は権限範囲委任した範囲遺産・死後事務費用
不動産管理・売却契約・目的の範囲で可能代理権と本人利益の範囲本人利益・許可等を確認本人の能力・指示が前提生前管理には使わない
建替え・借入れ契約・金融機関次第権限と本人利益を慎重確認極めて慎重本人判断が前提対象外
施設・介護契約原則対象外代理権により対応対応可能本人判断がある範囲対象外
本人契約の取消しできないできない成年後見等の権限によるできないできない
裁判所の継続関与原則なし監督人を通じ関与あり原則なし制度により異なる
死亡後契約により継続・終了原則終了終了原則終了役割開始
相続税節税自動的効果なし対策実行には限界対策実行は原則困難本人意思・能力が前提承継・納税設計に活用
制度は一つに絞る必要はありません。
収益不動産は家族信託、施設契約・信託外預金は任意後見、死亡後の承継は遺言、 葬儀・納骨等は死後事務委任というように、目的ごとに役割を分担できます。

FAMILY TRUST LIBRARY

悩み・財産・時間軸から、専門ページを探す

本ページを家族信託ライブラリの親ページとし、詳細論点は専門子ページへ展開します。 URLは公開時に確定し、親ページから常に到達できる構造にします。

家族信託の始め方

判断能力、家族会議、契約、公正証書、登記、口座、運用開始まで。

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信託契約書の設計

目的、財産、受託者権限、監督、受託者交代、終了条項を整理。

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収益物件オーナーの家族信託

賃貸管理、修繕、借入れ、建替え、売却、承継、税務。

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家族信託で不動産を売却

売買契約、信託登記、決済、代金管理、譲渡所得を解説。

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建替え・借入れ・大規模修繕

受託者権限、融資、担保、回収期間、本人・受益者利益を検討。

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家族信託と税金

所得税、贈与税、相続税、譲渡所得、消費税、法定調書。

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家族信託と任意後見

財産管理と身上保護の違い、併用が必要なケースを判断。

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家族信託と遺言・死後事務

信託財産と信託外財産、死亡後の承継・事務を接続。

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家族信託の失敗・後悔

口座、融資、受託者、税務、終了、家族対立の防止策。

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SELF CHECK

家族信託を具体的に検討すべき方

  • 収益マンション・アパートを所有している
  • 将来自宅や空き家を売却して施設費に充てたい
  • 認知症後も賃貸経営を止めたくない
  • 共有不動産の持分管理を整理したい
  • 配偶者や障害のある子の生活を長期的に支えたい
  • 二次相続以降の財産承継も検討したい
  • 既存借入れ・抵当権付き不動産がある
  • 将来の建替え・借換え・大規模修繕を想定している
  • 受託者候補が一人しかいない
  • 家族間で財産管理への意見が異なる
  • 家族信託で節税できると説明を受けた
  • 任意後見や遺言との違いが分からない

FAQ

家族信託のよくある質問

家族信託をすれば、親の預金をすべて管理できますか。
管理できるのは信託財産として特定し、実際に分別管理した金銭です。信託していない本人名義の預金まで自動的に管理できるわけではありません。
親が認知症になった後でも家族信託を作れますか。
信託契約の内容を理解して意思表示できる能力が必要です。診断名だけで一律に決まりませんが、判断能力を失った後に新たな契約を締結することはできません。
家族信託をすれば不動産を自由に売却できますか。
受託者は信託目的と契約に従って売却します。売却権限、受益者利益、信託登記、価格、代金管理、税務、金融機関等を確認する必要があります。
家族信託でアパートを建て替えられますか。
契約に建替え・解体・請負・借入れ・担保設定等の権限を適切に定め、信託目的に沿い、資金と金融機関対応が整えば可能性があります。契約に書けば融資が確約されるものではありません。
家族信託で相続税は安くなりますか。
家族信託を設定したことだけで相続税評価額が下がる一般的な仕組みはありません。税務上は受益者等に資産・収益が帰属するものとして課税関係を判定します。
委託者と受益者を別の人にしても税金はかかりませんか。
適正な対価を負担せず別の人が受益者になる場合、信託に関する権利を贈与等により取得したものとみなされる可能性があります。
家族信託があれば任意後見は不要ですか。
家族信託は信託財産の管理に強い一方、施設契約、行政手続、信託外財産等の本人代理には限界があります。必要な事務に応じて任意後見との併用を検討します。
家族信託は遺言の代わりになりますか。
信託財産について死亡後の受益者や帰属先を定められますが、信託外財産や遺言でしかできない事項まで全て代替するものではありません。
受託者が亡くなった場合はどうなりますか。
受託者の任務は終了します。後継受託者や選任方法を契約で定めておかないと、新受託者選任等の手続が必要となり、管理が停滞することがあります。
家族信託契約は一度作れば変更不要ですか。
家族、財産、税制、融資、受託者の健康は変化します。契約の変更可否、受益者同意、定期点検、後継受託者、終了条件を継続的に確認します。

OUR PRACTICAL VIEW

当事務所は、家族信託ありきでご提案しません

税務

管理対策と節税を分ける

受益者課税、譲渡所得、相続税、消費税を確認し、信託を節税商品として扱いません。

不動産

契約後に動くかを確認する

登記、管理会社、賃借人、保険、借入れ、金融機関、売却、建替えまで実行可能性を確認します。

相続・生活

信託外の空白を残さない

任意後見、遺言、死後事務、相続税申告まで担当者と権限をつなぎます。

家族信託を作らない方がよい場合もあります。
対象財産が少ない、受託者候補がいない、家族対立が強い、運用負担に耐えられない、 目的が医療・介護・契約取消しにある場合は、他制度の方が適することがあります。

PRIMARY SOURCES

確認の基礎とする法令・公的資料

本ページは家族信託の一般的な判断材料です。 個別案件では、信託契約、信託目録、登記、受託者・受益者、既存融資、 税務、遺留分、家族関係、金融機関の取扱いを確認します。

家族信託だけで十分かを、財産・家族・時間軸から整理します

家族信託を作ることが目的ではありません。
不動産、預金、介護、相続、死亡後について、 家族信託、任意後見、遺言、死後事務委任のうち必要なものだけを組み合わせます。

 
この記事を担当した執筆者
佐々木税務会計事務所 共同代表 佐々木謙
保有資格
専門分野相続・贈与・不動産・法人経営
経歴経営コンサルティング会社において約10年間、企業経営や事業承継に関するコンサルティング業務に従事。その後、法律事務所にて約5年間、相続・資産承継に関する実務を経験し、大手税理士法人では約10年間にわたり、相続税申告、財産評価、事業承継、生前対策など資産税業務を専門に担当しました。 これまで培ってきた税務・法務・経営コンサルティングの知見を活かし、一般のご家庭から地主・企業オーナーまで、幅広いお客様の相続・資産承継をサポートしています。 現在は佐々木税務会計事務所の共同代表として、「創族(そうぞく)」を理念に掲げ、相続税申告にとどまらず、生前対策、遺言書作成、家族信託、事業承継など、ご家族の未来を見据えた総合的な相続サポートに取り組んでいます。 相続は税金だけの問題ではなく、ご家族の人生に関わる大切な節目です。税務・法務・経営、それぞれの視点から最適な解決策をご提案し、お客様が安心して未来へ歩んでいただけるよう、分かりやすく実践的な情報発信にも力を入れています。
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