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相続に備えたい方へ|相続対策は何から始める?税理士が順序を解説

相続に備えたい方へ|相続対策は何から始める?

相続の生前対策で、相続税・自宅やアパートの承継・今から何をすべきかを家族で考えるイメージ
相続対策は、税金を減らすことだけではありません。

財産をどう分けるか。相続税をどう払うか。税負担をどう整えるか。認知症などで判断能力が低下した後、財産をどう管理するか。そして、ご本人の想いを誰へ、どのように引き継ぐか。

まずは、ご家族と財産の状況を整理することから始めます。そのうえで将来の課題を確認し、必要な対策を検討します。さらに、今行うことと将来行うことを分け、実行する時期・条件・見直しのタイミングまで整理します。

相続対策で考える5つのこと

生前対策で考える5つの視点。分ける、払う、減らす、管理する、引き継ぐ
分ける

誰に何を残すのか。遺言、遺留分、これまでの援助なども含めて考えます。

払う

相続税を期限までに納付できる現金があるか、納税後の生活資金まで確認します。

減らす

贈与、生命保険、不動産などを比較し、節税効果だけでなく副作用も確認します。

管理する

判断能力が低下した後も、必要な財産管理や契約を続けられるか確認します。

引き継ぐ

自宅、賃貸不動産、会社、自社株などを誰へどのように承継するか考えます。

節税効果が大きくても、生活資金が不足したり、財産が分けにくくなったり、必要な時に財産を動かせなくなったりすれば、良い対策とはいえません。

相続の生前対策は、この順番で考えます

一度にすべてを決める必要はありません。まず現状を把握し、必要なところから順番に進めます。

生前対策の順番。財産把握、相続税試算、家族状況の整理、対策比較、実行、見直し
まず、ご本人を中心に整理します お子様だけで対策を決めるのではなく、ご本人の希望、生活資金、今後の暮らしを確認したうえで進めることが基本です。
始める時期に、早すぎるということはありません 贈与、遺言、家族信託、任意後見などには、ご本人の意思確認や判断能力が重要になるものがあります。健康状態や家族状況に変化がある前に、まず現状整理だけでもしておくことが有効です。

こんなお悩みはありませんか?

制度名が分からなくても問題ありません。今、一番気になっていることに近い項目からご覧ください。

生前贈与を始めるべきか迷っている

生前贈与を始めるべきか迷っている

暦年課税と相続時精算課税だけでなく、将来の相続税や贈与後の生活資金まで比較します。

生前贈与について確認する
自宅・アパートなど不動産が多い

自宅・アパートなど不動産が多い

保有、売却、活用、組替え、承継を、税務と収益性の両面から考えます。

不動産について確認する
相続で家族がもめないか心配

家族が揉めないようにしたい

分けにくい財産、これまでの贈与、遺留分などを確認し、遺言などの対策が必要かを考えます。

遺言・財産の分け方を確認する
相続税を払えるか心配

相続税を払えるか心配

現預金、生命保険、不動産の換金可能性などを確認し、納税資金を準備できるかを考えます。

相続税対策・納税資金を確認する
会社・自社株をどう引き継ぐか考えたい

会社・自社株をどう引き継ぐか考えたい

後継者、自社株評価、経営権、税負担を一体で整理します。

事業承継について確認する
認知症になった後の財産管理が心配

認知症になった後の財産管理が心配

判断能力が低下した後も必要な財産管理や契約ができるよう、家族信託・任意後見などを比較します。

認知症・財産管理対策を見る
どれに当てはまるか分からない方へ

財産とご家族の状況を伺い、まず何を確認すべきかを整理します。

生前対策について相談する

生前対策は「制度」から考えません

生前対策は制度から考えず、家族と財産を整理し、将来の課題に合った方法を検討する

「贈与をしたい」「遺言を作りたい」「家族信託をしたい」と、制度名から考え始める必要はありません。

大切なのは、今どのような財産があるのか、家族はどうなっているのか、将来何が問題になりそうなのかを先に整理することです。

そのうえで初めて、生前贈与、遺言、生命保険、家族信託・任意後見、不動産対策、事業承継などを比較します。制度は、課題を解決するための手段です。

「今すること」と「将来すること」を整理します。

すべての対策を、今すぐ実行する必要があるわけではありません。対策による生活資金、収益性、換金性、家族間の公平感などへの影響も確認し、今行うことと将来検討することを分けます。今すぐ実行しない対策についても、そこで終わりにはせず、「いつ」「どのような状況になったら」「何を検討するか」まで整理します。

対策は「税額」だけで比較しません

相続税がいくら減るかだけで判断せず、少なくとも次の5つを確認します。

税負担相続税だけでなく、贈与税、譲渡所得税、登録免許税、不動産取得税など、別の税負担が増えないか確認します。
分け方遺留分、共有、代償金、これまでの援助などを確認し、家族間の不公平感や争いにつながらないかを見ます。
納税資金相続税を払うための現金があるか、不動産を急いで売る必要が生じないかを確認します。
財産管理判断能力が低下した場合、必要な時に誰がどの権限で財産を管理・処分できるかを確認します。
収益・生活節税のために家賃収入や老後資金、介護・施設費などの生活基盤を弱くしていないかを確認します。

よくある生前対策の失敗

× 節税から先に始めた税負担が下がっても、生活資金が不足したり、財産が分けにくくなったりすれば、別の問題を増やすことがあります。
× 生前贈与だけで解決しようとした贈与税だけでなく、相続税への加算、贈与者の生活資金、他の相続人への影響まで確認する必要があります。
× 不動産の評価額だけを見た相続税評価だけでなく、市場価格、収益性、換金性、借入、将来の売却まで確認することが大切です。
× 認知症が進んでから考えた本人の意思能力が必要な契約は、判断能力が低下すると利用できない場合があります。相続発生後だけでなく、その前の財産管理も時間軸で考えます。

生前贈与は「110万円」だけで考えない

生前贈与では、「年間110万円まで」という数字だけで判断しないことが大切です。

令和6年1月1日以後の暦年課税による贈与については、相続税への加算対象期間が段階的に7年へ延長されます。もっとも、令和8年12月31日までに開始した相続については、加算対象期間は相続開始前3年以内です。その後、相続開始日に応じて対象期間が段階的に延びます。

また、相続時精算課税には、令和6年から年間110万円の基礎控除が設けられています。

どちらの制度が適しているかは、財産額、贈与する財産、贈与者の生活資金、将来の相続税などによって異なります。

制度の適用は個別の事実関係・相続開始日等により異なります。最新の国税庁情報を基礎に個別確認が必要です。

相続税は「いくらか」だけでなく「払えるか」も確認します

財産の多くが不動産の場合、相続税は発生しても手元の現金が十分ではないことがあります。

  • 現預金
  • 死亡保険金
  • 不動産の換金可能性
  • 借入の返済状況
  • 納税後の生活資金

死亡保険金には、相続人が取得する場合、一定の要件のもとで「500万円 × 法定相続人の数」の非課税限度額があります。

生命保険は節税だけを目的に使うものではありません。納税資金や、誰に現金を残すかという財産分けの観点も含めて考えます。

相続対策と認知症対策は、同時に考えます

相続対策は、亡くなった後の財産承継だけを考えるものではありません。

その前に判断能力が低下すると、預貯金の管理、不動産の売却、施設入所に伴う契約などについて、ご本人自身で有効に意思決定・契約することが難しくなる場合があります。

そのため、必要に応じて、家族信託、任意後見、財産管理等委任契約などを比較します。

任意後見契約は、本人の判断能力が十分なうちに公正証書で締結し、判断能力が低下した後、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から効力が生じます。

会社・自社株がある場合は、事業承継も一緒に考えます

会社や非上場株式をお持ちの場合は、相続税だけでなく、経営権を誰に引き継ぐかを考える必要があります。

  • 後継者は誰か
  • 自社株の評価額はいくらか
  • 議決権を誰に集めるか
  • 贈与と相続のどちらで移すか
  • 納税資金をどう準備するか
  • 事業承継税制を検討する必要があるか

会社と株式の承継は、税金と経営を分けて考えないことが重要です。

よくある質問

相続税がかからなければ、生前対策は不要ですか?
いいえ。相続税が発生しなくても、財産の分け方、不動産の共有、遺言、認知症時の財産管理など、税金とは別の課題があります。
まず生前贈与から始めればよいですか?
必ずしもそうではありません。先に現在の財産、概算相続税、生活資金、ご家族の状況を確認し、その結果として贈与が必要かを判断します。
不動産が多い場合は何から確認しますか?
相続税評価額だけでなく、市場価格、収益性、借入、共有関係、将来の売却可能性などを確認します。そのうえで、残す・売る・活用する・組み替えるといった選択肢を比較します。
相続対策と認知症対策は別々に考えるべきですか?
目的は異なりますが、実行できる時期や将来の財産管理に関係するため、時間軸では一緒に確認することが重要です。
何をすればよいか決まっていなくても相談できますか?
はい。まず現在の財産とご家族の状況を整理し、何を確認すべきかを一緒に整理します。

当事務所の考え方

生前対策は「制度」から考えません

制度を先に決めるのではなく、ご本人の生活、ご家族、財産、税負担、将来の管理を整理し、まず何が課題なのかを確認します。そのうえで、必要な方法を比較します。

「何をするか」だけでなく、「いつするか」まで整理します

対策によって適切な時期は異なります。早めに行った方がよいものもあれば、現在の状況では急いで実行する必要がないものもあります。

当事務所では、何をするか、いつするか、どのような条件になったら実行するか、いつ見直すかまで整理することを大切にしています。

今すぐ実行しないという判断をした場合も、それで終わりではありません。財産価格、税制、健康状態、ご家族の状況などの変化を踏まえ、次に判断すべき時期や条件を明確にし、必要なタイミングで改めて検討します。

このページは、相続・生前対策を検討するための一般的な情報をまとめたものです。実際の税額、特例の適用、遺言・契約の有効性、成年後見・任意後見等の利用可否は、財産内容、家族関係、本人の意思能力、契約内容等により異なります。法律事務・登記事務その他他士業の独占業務に当たる事項は、必要に応じて弁護士・司法書士等と連携して対応します。
何をするか決まっていなくても、ご相談いただけます。

まず現在の財産とご家族の状況を整理し、何を確認すべきか、どこから始めればよいかを一緒に考えます。今すること、将来すること、実行する条件、見直すタイミングまで整理し、必要な時期に必要な対策を検討します。

生前対策について相談する
 
この記事を担当した執筆者
佐々木税務会計事務所 共同代表 佐々木 清子
保有資格税理士・行政書士
専門分野相続税・家族問題・不動産
経歴早稲田大学卒業後、大手税理士法人において、相続税申告、財産評価、遺産分割、生前対策、相続手続など、数多くの資産税案件に携わった後、佐々木税務会計事務所の共同代表として現在に至ります。 これまで、遺産総額数千万円規模の一般のご家庭から、数百億円規模の資産を有する地主・企業オーナーまで、幅広い相続・資産承継をサポートしてまいりました。 相続は、ご家族ごとに事情や想いが異なります。税法や制度だけでなく、お客様のお話を丁寧に伺い、それぞれのご家庭に適した相続・資産承継をご提案することを大切にしています。
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