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相続に備えたい方へ|相続対策は何から始める?税理士が順序を解説

相続が発生する前に考えること
相続に備えたい方へ

相続対策は、いきなり生前贈与や不動産購入から始めるものではありません。まず財産、家族、税金、納税資金、将来の生活を整理し、ご家族に合った順序で進めます。

制度を選ぶ前に、「何を守りたいのか」「誰へ、どのように残したいのか」「将来どのような変化が起こり得るのか」を確認することが大切です。

30秒で結論

相続対策は、財産を把握し、相続税を試算し、家族の希望と将来を整理したうえで、必要な対策を組み合わせることから始めます。

生前贈与、遺言、生命保険、不動産活用、法人化、事業承継などは、いずれも手段です。一つの制度ですべてを解決できるとは限らず、「何もしない」「今は実行しない」という判断が適切な場合もあります。

STEP 1|WORRIES

まず、一番心配なことを整理します

制度名を知っている必要はありません。今、心配していることに近い項目から確認してください。

心配事から必要な相続対策を考える相続コンパス
相続コンパス:制度ではなく、心配事から必要な確認事項を探します。
💰

相続税がかかるか心配

まず概算額を確認し、基礎控除、土地評価、特例、二次相続まで整理します。

相続税を試算する →
🎁

生前贈与を始めるべきか迷う

暦年課税と相続時精算課税は、将来の相続税や財産の値動きまで含めて選びます。

生前贈与を確認する →
🏠

自宅・土地・アパートをどうするか

誰が取得するか、管理できるか、売却するか、納税資金に使うかを確認します。

相続税と不動産を確認 →
👨‍👩‍👧

家族が揉めないようにしたい

遺言だけでなく、分けにくい財産、遺留分、代償金、家族関係を整理します。

遺言を確認する →
💴

納税資金が足りるか心配

相続税の期限までに現金で納付できるか、保険、売却、延納等を検討します。

申告・納税を確認 →
🏭

会社・自社株を引き継ぎたい

後継者、自社株評価、経営権、納税資金、遺留分を一体で考えます。

自社株の贈与を確認 →

何から始めるか分からない

財産一覧と家族関係を整理し、概算税額を把握するところから始めます。

相続対策の順序を見る →

STEP 2|ORDER

制度を選ぶ前に、土台を整えます

贈与や不動産活用は、相続対策の出発点ではありません。財産把握、税額試算、家族の希望、納税資金という土台がなければ、対策が逆効果になることがあります。

相続対策ピラミッド
制度は最上段です。まず現状把握と試算を行います。
重要:「年間110万円までなら大丈夫」「不動産を買えば必ず節税になる」といった一部分だけの判断は避けます。贈与税がかからなくても相続税へ加算される場合があり、相続時精算課税は選択後に暦年課税へ戻せません。

STEP 3|ROADMAP

相続準備は、この順番で進めます

一度にすべてを決める必要はありません。現状把握から始め、家族と専門家で確認しながら段階的に進めます。

相続準備ロードマップ
現状把握から実行・見直しまでを段階的に進めます。
01

財産と債務を把握する

現預金、不動産、有価証券、生命保険、自社株、貸付金、借入金、保証債務などを一覧にします。

02

相続税を試算する

現時点の概算税額と、一次相続・二次相続、特例適用後の税額を確認します。

03

家族の希望と事情を整理する

誰がどこに住むか、誰が管理するか、後継者は誰か、これまでの援助や家族関係も確認します。

04

対策を比較する

税金、納税資金、財産管理、遺産分割、事業承継への影響を比較します。

05

実行し、記録を残す

契約、贈与、保険、遺言、登記、資金移動を適切に行い、証拠資料を保存します。

06

定期的に見直す

財産価格、税制、家族状況、健康状態、事業環境の変化に応じて修正します。

STEP 4|DESIGN

ご家族の数だけ、相続設計があります

同じ財産額でも、家族構成、人間関係、これまでの経緯、将来の生活、健康状態によって、適切な方法は変わります。

財産、家族、想い、将来を整理する相続設計図
制度を先に選ばず、ご家族の未来から逆算して設計します。

制度を選ぶ前に確認すること

  • 財産と債務の種類、名義、評価額
  • 家族構成、人間関係、過去の援助・介護
  • 自宅、収益物件、会社を今後どうしたいか
  • 生活資金、介護費、施設費、納税資金
  • 認知症、二次相続、売却、事業承継

制度は「設計結果」です

  • 生前贈与
  • 遺言
  • 生命保険
  • 家族信託・任意後見等
  • 不動産の売却・組替え・法人化
  • 事業承継・自社株対策
  • 今は実行しない

STEP 5|TOPICS

対策分野から詳しく確認する

次のカードは、制度一覧ではなく、確認すべき課題別の入口です。

生前贈与

贈与する人・受ける人、財産の種類、相続時の加算、将来価値まで確認します。

遺言・トラブル予防

遺留分、分けにくい財産、代償金、遺言執行まで考えます。

納税資金・生命保険

現金で納付できるか、保険金、売却、代償金、延納等を確認します。

不動産の活用・売却・承継

自宅、土地、収益物件の評価・管理・分割・売却・法人化を検討します。

認知症・財産管理

相続対策を実行できるうちに、将来の管理者と権限を確認します。

DECISION POINTS

対策を選ぶときに比較すること

制度を単純な優劣で比較せず、家族・財産・税務へ与える影響を確認します。

視点確認内容見落とした場合
税負担相続税、贈与税、譲渡所得税、法人税、登記費用等一つの税金が減っても別の負担が増える場合があります。
家族の公平収益性、管理負担、過去の援助、介護負担金額が同じでも実質的な公平が崩れることがあります。
納税資金期限までに現金で支払えるか不動産を急いで売却する場合があります。
財産管理認知症後も賃貸、修繕、売却、支払いを継続できるか財産を動かせなくなることがあります。
二次相続配偶者の生活と次の相続時の負担一次相続だけを最小化しても合計負担が増える場合があります。

COMMON MISTAKES

相続対策で起こりやすい失敗

×

税額を試算せず贈与だけ始めた

相続税への加算や生活資金不足が問題になる場合があります。

×

土地・収益物件だけを贈与した

評価、収益、借入れ、登記費用、管理権限を確認する必要があります。

×

税金だけを優先した

節税効果があっても遺留分や家族の不満から紛争になる場合があります。

×

認知症が進んでから始めた

本人の意思能力が必要な手続を選べないことがあります。

TIME AXIS

相続対策と認知症対策は、同時に確認します

死亡後の承継だけでなく、その前に判断能力が低下した場合でも財産管理と生活を継続できるかを確認します。

🟢

判断能力が十分にある

贈与、遺言、家族信託、任意後見、不動産対策などを比較できる段階です。

家族信託を見る →
🟡

物忘れなどが心配

診断名だけで決めず、具体的な契約内容を理解し判断できるかを確認します。

🔴

判断能力が大きく低下

新しい契約が難しい可能性があり、成年後見等を含め検討します。

親の家の売却を見る →

FAQ

相続に備えるときのよくある質問

相続対策は何から始めればよいですか?
財産と債務を一覧にし、相続人を確認したうえで相続税の概算を試算します。その後、家族の希望、納税資金、財産管理を整理します。
相続税がかからない場合でも対策は必要ですか?
必要になることがあります。遺産分割、名義変更、認知症後の財産管理、空き家、事業承継などの問題は残ります。
毎年110万円まで贈与すればよいですか?
一律には判断できません。贈与者の生活資金、受贈者、相続時の加算、名義管理、制度選択を確認します。
相続時精算課税と暦年課税はどちらが有利ですか?
財産価格、贈与額、相続税の有無、将来の相続財産を踏まえて比較します。相続時精算課税は一度選択すると、その贈与者について暦年課税へ戻せません。
遺言を作れば家族の争いを防げますか?
有力な手段ですが、遺留分、分けにくい財産、代償金、遺言執行、家族への説明まで設計する必要があります。
何歳から始めるべきですか?
年齢だけでは決まりません。財産、家族、健康、事業などに変化があった時が確認のタイミングです。

OUR POLICY

当事務所の考え方

制度ありきで提案しません

ご家族と財産の状況を把握してから必要性を判断します。

節税額だけで判断しません

家族の公平、生活資金、管理負担、二次相続まで比較します。

何もしない選択も含めます

費用やリスクが効果を上回る場合、現状維持も選択肢です。

変化に合わせて見直します

財産、家族、健康、税制、事業環境の変化に応じて更新します。

結論:相続対策の目的は、特定の制度を利用することではありません。ご本人とご家族が安心して暮らし、財産や事業を希望する形で承継できる未来を設計することです。

何をするか決まっていなくても、ご相談いただけます

現在の状況と優先順位を確認するところから対応します。

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この記事を担当した執筆者
佐々木税務会計事務所 共同代表 佐々木 清子
保有資格税理士・行政書士
専門分野相続税・家族問題・不動産
経歴大手税理士法人において、相続税申告、財産評価、遺産分割、生前対策、相続手続など、数多くの資産税案件に携わった後、佐々木税務会計事務所の共同代表として現在に至ります。 これまで、遺産総額数千万円規模の一般のご家庭から、数百億円規模の資産を有する地主・企業オーナーまで、幅広いお客様の相続・資産承継をサポートしてまいりました。 相続は、ご家族ごとに抱える事情や想いが異なり、同じ案件は一つとしてありません。 そのため私は、税法や制度だけに目を向けるのではなく、お客様一人ひとりのお話を丁寧にお伺いし、ご家族にとって最適な選択肢をご提案することを何より大切にしています。 相続税申告はもちろん、財産評価、遺産分割、生前対策、遺言書の作成、資産承継など、それぞれのご家庭の状況に応じたきめ細やかなサポートを心掛けています。 また、相続手続が完了した後も、ご家族が安心して生活を送れるよう、資産承継後の見守りや財産管理に関するご相談にも継続して対応しております。 相続は、一度きりの手続きではなく、ご家族のこれからの人生につながる大切な節目です。 だからこそ、お客様の不安に寄り添い、一つひとつの疑問を丁寧に解消しながら、安心して未来へ歩んでいただけるよう、誠実にサポートしてまいります。
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