後継者へ自社株を渡したい
誰に、いつ、何株を渡すかを整理します。
COMPANY STOCK GIFT
自社株式の贈与は、贈与税だけで判断するものではありません。 株価、後継者、議決権、会社の将来性、他の相続人との公平、 相続による承継、買取方式、事業承継税制まで比較する必要があります。
COMMON CONCERNS
誰に、いつ、何株を渡すかを整理します。
株主区分、会社規模、資産・利益・配当から評価します。
暦年課税、相続時精算課税、事業承継税制を比較します。
将来株価、相続税、経営権、納税資金を比較します。
時価、資金調達、売主・買主双方の課税を確認します。
評価、契約、承認、名義書換、申告を一体で整えます。
3-MINUTE DECISION
贈与を急がず、後継者候補、第三者承継、M&Aを含めて事業承継全体を整理します。
現在の株価と将来の株価見込みを確認します。
契約前に税務上の株価を試算します。
贈与税、相続税、議決権を比較します。
株数・時期・課税方式・契約・承認・名義書換・申告を設計します。
HOW WE THINK
POSITIONING
| 方法 | 主な税負担 | 資金負担 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 暦年課税による贈与 | 贈与税 | 受贈者の納税資金 | 一括・段階承継が可能。累進税率。 |
| 相続時精算課税による贈与 | 一定額超は20%、相続時精算 | 贈与税が生じる場合 | 一度選択すると撤回不可。原則として贈与時価額で相続時精算。 |
| 法人版事業承継税制 | 一定要件で納税猶予・免除 | 制度対応・担保等 | 認定、申告、継続届出等が必要。 |
| 相続による承継 | 相続税 | 相続税の納税資金 | 生前負担なし。承継時期、遺産分割、遺留分の不確実性。 |
| 買取方式 | 売主の譲渡所得課税等 | 後継者・会社の買取資金 | 対価を得て承継。時価・資金調達・会社法・所得税・法人税を検討。 |
※買取方式には、後継者個人による取得、自己株式取得、持株会社等を利用する方法があります。 所得税基本通達59-6は、個人が非上場株式を贈与・低額譲渡等した場合の 「その時における価額」を検討する上で重要ですが、方式の適否は同通達だけでは決まりません。
WHEN GIFTING MAY FIT
VALUATION
非上場株式には市場価格がありません。 受贈者の株主区分と会社の状況に応じ、財産評価基本通達に基づいて評価します。
類似業種の上場株価を基に、配当・利益・簿価純資産を比準します。
資産・負債を相続税評価額へ洗い替えて計算します。
同族株主以外の株主等に用いる特例方式で、自由に選択できません。
少数株主になる予定だから配当還元方式、と単純に判断することはできません。 株主区分と同族関係者の判定を正確に行います。
ANNUAL TAXATION
1月1日から12月31日までに受けた贈与財産の合計額から 基礎控除110万円を差し引き、累進税率で計算します。
SETTLEMENT AT INHERITANCE
令和6年1月1日以後の贈与から適用されます。
期限内申告が必要です。
基礎控除・特別控除後の金額に適用します。
BUSINESS SUCCESSION TAX SYSTEM
特例措置は、特例承継計画を令和8年3月31日までに提出済みであることが前提です。 対象となる贈与等の期限は令和9年12月31日です。 計画未提出の場合は、一般措置その他の方法を検討します。
CONTROL & VOTING RIGHTS
通常の株主総会決議へ大きく影響します。
定款変更等の特別決議へ大きく影響します。
特別決議を単独で阻止できる可能性があります。
※種類株式、議決権制限株式、自己株式、株主間契約等がある場合は単純な株数だけでは判断できません。
PRACTICAL PROCEDURE
定款、登記、株主名簿、株式異動、株券発行の有無を確認します。
決算書、申告書、固定資産・有価証券資料等から評価します。
暦年課税、相続時精算課税、事業承継税制、相続、買取方式を比較します。
議決権、株価変動、決算日、申告期限を踏まえます。
譲渡制限株式の場合、定款に従い株主総会・取締役会等で承認します。
株式数、種類、贈与日、受諾等を明確にします。
会社が株主名簿を書き換え、必要資料を保存します。
原則として翌年2月1日から3月15日までに受贈者が申告・納税します。
配当、議決権、役員体制、残株式の承継を管理します。
DOCUMENTS
COMMON FAILURES
額面や帳簿価額で考え、申告時に高額評価が判明。
契約前に評価する。株主区分の誤りで評価方式が否認されるリスク。
贈与後の株主構成で判定する。承認・名義書換がなく株主の実態が不明確。
契約・承認・名義書換を一体で行う。期限後提出では原則として適用不可。
翌年3月15日までを管理する。経営体制が整う前に支配権だけ移転。
議決権と経営承継を合わせる。相続時に遺留分・分割問題が発生。
遺言・保険・他財産で調整する。資産売却、特別配当、増資等が株価へ影響。
贈与日前後の重要事象を確認する。届出・要件逸脱で猶予税額の納付問題。
適用後の管理まで設計する。定期贈与として課税される問題。
各年ごとに贈与を判断する。LEARN FROM CASES
以下は国税不服審判所の公表裁決を要約したものです。個別事件の結論を他案件へそのまま適用することはできません。
CASE 01|平成10年1月29日裁決
配当還元方式による低評価を利用して贈与税負担を軽減する目的が認定されました。
配当還元方式ではなく、時価純資産価額を基に評価するのが相当とされました。
実務上の教訓:形式的要件だけでなく、取得・贈与の目的と一連の取引まで見られます。
CASE 02|平成9年7月4日裁決
取得から売却までの一連の行為から租税負担軽減目的が推認されました。
会社が取引に用いていた客観的な純資産価額を基に評価すべきとされました。
実務上の教訓:現実の取引価格や社内売買基準と税務評価額の関係を確認します。
CASE 03|平成20年10月21日裁決
株式を低額で取得したところ、税務署が時価との差額を贈与と認定しました。
契約の錯誤無効等が争われました。
実務上の教訓:売買形式でも、時価との差額に買主側の贈与税が生じ得ます。
CASE 04|令和7年9月10日裁決
非上場株式の譲渡価額が時価の2分の1未満として、みなし譲渡課税が行われました。
株主間の対立等は、所得税基本通達59-6による評価を排除する特別事情に当たらないとされました。
実務上の教訓:買取方式では売買価額の根拠と、売主・買主双方の課税を確認します。
CASE 05|平成10年9月28日裁決
借入、会社設立、低額現物出資等により評価差額を作り出したとされました。
評価通達を形式的に適用して法人税額等相当額を控除することは不適当とされました。
実務上の教訓:株価対策は事業目的、経済合理性、一連の取引を説明できることが必要です。
TAX AUDIT
税務調査対策は後から資料を作ることではありません。 評価、意思決定、承認、契約、名義書換、申告を同じ事実関係で整えることが基本です。
CHECKLIST
FAQ
贈与税は原則として贈与時の時価で計算します。額面や取得価額がそのまま評価額になるわけではありません。
暦年課税では受贈者の年間贈与合計額が110万円以下なら原則として課税されませんが、他の贈与、定期贈与、相続開始前贈与の加算等を確認します。
可能ですが、毎年の評価、契約、承認、名義書換が必要です。複数年の贈与を最初から約束すると定期贈与の問題が生じ得ます。
配当還元方式は同族株主以外の株主等に用いる特例方式で、自由に選択できません。
贈与時に税負担が生じない場合がありますが、原則として相続時に贈与財産を加算して精算します。完全な非課税制度ではありません。
相続時精算課税では原則として贈与時価額を基礎に相続時に加算します。下落リスクも踏まえて選択します。
一定要件の下で納税が猶予される制度です。認定、申告、継続届出等が必要です。
譲渡制限株式の場合は、会社法・定款に従った承認が必要です。
契約に加え、承認、株主名簿書換、申告、配当・議決権管理まで行います。
著しく低い価額の場合、買主側に差額の贈与税、売主側に所得税法59条のみなし譲渡課税が問題となる場合があります。
一律ではありません。経営権移転の時期、後継者の経験、他株主、種類株式等を踏まえます。
必要です。遺留分や遺産分割に備え、遺言、生命保険、他財産等を検討します。
事業目的と経済合理性を確認します。不自然な一連の取引は通達評価が排斥されるリスクがあります。
原則として翌年2月1日から3月15日までに、受贈者が申告・納税します。
NEXT STEP
株価、贈与税、相続税、議決権、他の相続人、 会社法上の手続、事業承継税制、買取方式まで比較します。

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