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遺言の種類|自筆証書・公正証書・秘密証書【2026年改正対応】

遺言の種類を選ぶ前に
まずは全体像をつかみましょう

普段検討する中心は、自筆証書遺言と公正証書遺言です。方式を選ぶ前に、家族・財産・税金を確認します。

遺言の種類を選ぶ前に全体像を確認する図解

30秒で結論|迷ったら「自筆か公正証書か」から考える

自筆証書遺言

手軽さ・費用を重視。法務局保管制度を使えば、紛失等のリスクを抑え、検認も不要になります。

公正証書遺言

確実性を重視。公証人が関与し、原本の保管体制があり、検認も不要です。

ただし、方式を先に決めないこと。不動産・自社株・遺留分・相続税・納税資金が複雑なら、まず「誰に何を残すか」を決め、その内容に合う方式を選びます。

税理士ならここを見る|種類を決める前に、財産内容を確認

財産
  • 自宅・賃貸不動産
  • 預貯金・証券
  • 自社株・事業用財産
  • 生命保険・借入金
税務
  • 相続税の概算
  • 配偶者の税額軽減
  • 小規模宅地等
  • 納税資金・二次相続

「自筆か公正証書か」は入れ物の選択です。先に財産承継の中身を設計します。

遺言で失敗しないための設計 →

01

どの方式を選ぶ?

遺言方式の選び方
実務上は「自筆証書+法務局保管」か「公正証書」を中心に比較すると分かりやすいです。秘密証書遺言は制度として存在しますが、利用場面は限定的です。
02

自筆証書と公正証書を比較

自筆証書遺言と公正証書遺言の比較
公正証書遺言は法務局保管ではありません。公正証書は公証制度の下で原本が保管されます。2025年10月1日から、公正証書作成手続はデジタル化されています。
03

自筆証書遺言|自分で作れる。ただし方式を守る

2026年8月現在、通常の自筆証書遺言は、原則として全文・日付・氏名を本人が自書し、押印します。財産目録は2019年1月13日以後、一定の要件でPC作成や登記事項証明書・通帳コピー等を利用できます。

メリット

  • 自分のタイミングで作れる
  • 費用を抑えやすい
  • 見直しやすい

注意

  • 方式不備で無効となるリスク
  • 自宅保管では紛失・改ざん等のリスク
  • 法務局保管を使わない場合は原則検認が必要

自筆証書遺言|作り方・要件・注意点 →

04

法務局保管|検認不要。ただし「通知制度」に注意

2020年7月10日から、自筆証書遺言を法務局(遺言書保管所)に保管できる制度が始まりました。保管申請手数料は現在1通3,900円です。

メリット

  • 法務局で原本を保管
  • 紛失・改ざん等のリスクを軽減
  • 家庭裁判所の検認が不要

重要な注意

  • 内容の法的有効性まで保証する制度ではない
  • 死亡後の一定手続を契機に通知制度が動く
  • 秘密のまま執行できる制度ではない
通知制度は見落としやすいポイントです。死亡後、関係相続人等の一人が閲覧や遺言書情報証明書の交付を受けると、その他の関係相続人等にも法務局から「関係遺言書保管通知」が送られます。死亡しただけで無条件に全員へ通知されるわけではありません。

自筆証書遺言書保管制度|法務局保管の使い方 →

05

公正証書遺言|確実性を重視するなら有力

公正証書遺言は、公証人が関与して作成する普通方式の遺言です。検認不要で、原本の保管体制も整っています。

向いているケース

  • 不動産・自社株等がある
  • 相続人が多い・関係が複雑
  • 財産配分に差がある
  • 方式不備のリスクを抑えたい

2025年10月から

  • 公正証書作成手続をデジタル化
  • 原則PDF形式の電磁的記録で作成
  • 一定の要件でWeb会議方式も可能

公正証書遺言|メリット・費用・作成の流れ →

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秘密証書遺言|制度はあるが利用場面は限定的

遺言内容を秘密にしたまま、公証人・証人に本人の遺言書であることを確認してもらう方式です。公証人は内容を確認しないため、内容面の不備が残る可能性があります。

項目秘密証書遺言
内容の秘密保ちやすい
内容面の確認公証人は確認しない
保管本人
検認原則必要
法務局保管制度利用不可

2026年改正|遺言制度はさらに使いやすくなります

2019年から2026年までの遺言制度改正と保管証書遺言の創設をまとめた図解
2026年6月24日公布|ただし、施行時期は改正項目ごとに異なります

改正① 押印の任意化等

公布から1年を超えない範囲内で政令が定める日に施行されます。

2026年8月現在はまだ施行前のため、現時点で自筆証書遺言を作成する場合は、現行の方式に従います。

改正② 「保管証書遺言」の創設

パソコン等で作成した遺言を、法務局で保管する新しい普通方式が創設されます。

システム改修を要するため、公布から3年を超えない範囲内で政令が定める日に施行されます。

重要:2026年8月現在、保管証書遺言はまだ利用できません。具体的な様式・申請方法・手数料等は、今後の政令・省令・法務省の案内で確認する必要があります。
新制度ができるから、今は遺言を待つ――とは考えません。年齢・健康状態・財産・家族関係から今作る必要性が高ければ、現行制度で作成し、施行後に必要に応じて見直す考え方が実務的です。

結局、どれを選ぶ?

希望・状況まず検討
費用を抑えて自分で作りたい自筆証書+法務局保管
確実性を重視したい公正証書遺言
不動産・自社株・相続人が多い公正証書を有力候補に
PC等を使う新方式を希望保管証書遺言は施行後に検討
方式に優劣があるのではなく、家族と財産によって適切な方式が変わります。

よくある質問

Q. 自筆証書遺言を法務局で保管すれば無効になりませんか?

法務局では方式について外形的確認が行われますが、遺言内容の法的有効性まで保証する制度ではありません。

Q. 法務局保管なら他の相続人に知られませんか?

そうとは限りません。死亡後、一定の閲覧・証明書交付を契機に、その他の関係相続人等へ通知されます。

Q. 公正証書遺言は法務局で保管されますか?

いいえ。公正証書遺言は公証制度の下で原本が保管されます。

Q. 保管証書遺言ができるまで待つべきですか?

一律に待つ必要はありません。2026年8月現在は未施行です。今作る必要性が高ければ現行制度で作成します。

当事務所の考え方|方式より先に「何を実現したいか」

家族

誰に何を残すか。

財産

不動産・自社株・預金をどう承継するか。

税務

相続税・納税資金・二次相続まで確認。

方式は最後に選びます。まず財産と家族を整理し、実現したい承継を決め、その内容を安全に実現できる方式を選びます。

自筆か公正証書か迷っている段階からご相談いただけます

財産内容・家族構成・相続税・不動産・納税資金を整理し、遺言内容を決めた上で適切な方式を検討します。

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この記事を担当した執筆者
佐々木税務会計事務所 共同代表 佐々木謙
保有資格
専門分野相続・贈与・不動産・法人経営
経歴経営コンサルティング会社において約10年間、企業経営や事業承継に関するコンサルティング業務に従事。その後、法律事務所にて約5年間、相続・資産承継に関する実務を経験し、大手税理士法人では約10年間にわたり、相続税申告、財産評価、事業承継、生前対策など資産税業務を専門に担当しました。 これまで培ってきた税務・法務・経営コンサルティングの知見を活かし、一般のご家庭から地主・企業オーナーまで、幅広いお客様の相続・資産承継をサポートしています。 現在は佐々木税務会計事務所の共同代表として、「創族(そうぞく)」を理念に掲げ、相続税申告にとどまらず、生前対策、遺言書作成、家族信託、事業承継など、ご家族の未来を見据えた総合的な相続サポートに取り組んでいます。 相続は税金だけの問題ではなく、ご家族の人生に関わる大切な節目です。税務・法務・経営、それぞれの視点から最適な解決策をご提案し、お客様が安心して未来へ歩んでいただけるよう、分かりやすく実践的な情報発信にも力を入れています。
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